2016年5月18日水曜日

そーせい「個人投資家説明会に行ってきました(公式説明会編)」

5月16日(月)に開催されましたそーせいの個人投資家説明会に参加してきました。
(みなさん関心が高いのか、予告段階の過去記事のリンク数が激増していました。)

場所はいつもの東京ステーションホテルの鳳凰の間です。
(株主総会は別会場ですが、もう3度目くらいですかね?)

内容についてですが、正直なところ公式の説明会の方では、事前に決算発表で使われた資料とほぼ同じで新規なことはありませんでした。
(当然ながら懇親会でのお話のほうが面白いネタは多かったです。そちらは後編で)

質疑応答についても、今回は新COOのベインズさんが主に受け答えをしていましたが、今後の数字での予測の件など、英語ということもありうまくかわしており、特に面白いことは聞けませんでした。

但し今回の説明会は、田村社長からベインズさんへの経営のバトンパスの意味合いが大きいと思いますので、そういう意味では実際に立ち会った印象としてはとても素晴らしい信頼関係を感じました。

ざっくりQ&Aを概要を備忘録代わりに以下にまとめてみます。

Q1.業績の予測についての、数字の精度についての捉え方は?保守的に出していると聞いているが、今回のアラガンのように期ズレのネガティブインパクトの可能性にどのように備えれば良いか?
A1.  アラガンの契約は素晴らしいものであったが、企業価値としては、3月か4月かというのは全く重要なことではない。
→こんな素晴らしい契約を期ズレでネガティブに捉えるなんてナンセンスとばっさり。私もそう思いますし、マイナスに市場が捉えるなら買い増せば良いだけですね。

Q2.契約マイルストンの総額80億ドルのうち硬い部分はどのくらいか?
A2.数字では答えられない。全部ということはありえないが、ある程度は見込める。
→確かに現段階で具体的には言えませんよね。。。

Q3.ウルティブロの米国、中国の状況について
A3.ノバルティス発表以上のことは言えないし、私達も楽しみにしているところだ。
  ウルティブロの米国上市については6月を目標に進めていると発表されている。
→今までは関心事の中心でしたが、田村社長も説明の中で言っていましたが、シーブリ、ウルティブロは既に経営の基盤(=金のなる木)ではあるものの、企業価値創出の中心はHeptaresの進捗次第とはっきりいっていた。喘息QVM149、中国承認含めてできたら儲けモンくらいで良いのかもしれません。

Q4. アクティバス、JITSUBOの現状について
A4.JITSUBOは最近なので未だ多くの発表が出来る状況ではないが、着実に進んでいる。アクティバスも産みの苦しみが長く続いているが、ナノ化技術の課題とチャンスがわかってきた。IP(特許)の強化を進めており、どちらも一年以内には良い進捗が報告できるはず。
→やはりHeptares案件と比べると規模が小さいが、特にJITSUBOのペプチドの技術はHeptaresとのシナジーも見込める分野のはずなので、面白い発表を期待したい。

Q5.薬価、為替レートについて
A5.薬価は重要な関心事であるが、薬剤の良し悪し次第だ。強気には進めるつもりである。為替は115円/$で見込んでおり、現時点では為替ヘッジなどは特にやっていない。但し来月から為替ヘッジについては銀行と相談をする予定だった。
→どの薬価のことを言っているのか不明でしたが、一般論として答えていたのでしょうか?為替は現状からするとだいぶ円安で見込んでいるのでこのまま円高だと契約は全てドル建てなので、マイナス側と思います。但しほとんど円建てでの換算は細かい話しなので気にしなくて良いのかと・・・。

Q6.パイプラインの自社開発と導出のバランスについて
A6.これまではHeptaresのStaR技術のプラットフォームの価値を認知させるためにも、メガファーマ相手の実績確保が重要だった。但し、もう十分提携実績はつくれて、アラガンのようにP1段階ではあり得ない額の契約一時金がもらえるレベルに認められている。今後自社品は増やしていきたいし、リスクを取る側の自社開発比率を上げるのは自由度が高い状況。
→懇親会でも話ができましたが、これまでは実績作りが中心で、今後は自社品も増やしていきたいとのこと。大規模治験が必要な物はメガファーマとの提携が重要だが、特に希少疾患などは自社でやっていきたいとの様子。

Q7.増資の可能性について?
A7.すぐに増資をするという訳ではないが、必要ならできる状況であるという自由度が重要だ(ベインズCOO)
 Heptaresの時も市場は誤解したでしょ。今をみてごらんなさい。買って良かったでしょ?チャンスを逃さないためにもファイナンスの自由度が重要(田村社長)
→結果を出しているのでみんな拍手喝采でした。実際前回の増資は時価総額や希釈化率で腹も立ちましたが、あの段階では仕方なかったのかもしれません。今の時価総額ならHeptares級の案件があるなら、是非5%〜10%の希釈化率で200億〜400億確保できるならしてほしいです。実際今後もM&Aはしていくとのことでしたが、自由度を確保するということを強調されていました。

Q8.StaR技術は素晴らしいが、競合はどうか?何年くらい先行していて、対抗策は?
A8.GPCRの安定化〜結晶解析技術ではHeptaresがリーダーの地位だが、最近発表されたクライオSEM(凍結状態での電子顕微鏡観察技術)のコンソーシアムに参加する件は、補完的な関係にあるものだ。X線の解析技術とクライオSEMの技術をどちらも取り組むことで、リーダーの地位を維持、強化していく。全ての技術動向をウオッチしている。
→私も質問しようと思っていたことですが、最後に他の方が聞いてくださいました。プレゼン資料と実際の回答にあるように、現状甘んじることなく、GPCR解析技術については「科学技術リーダーシップの強化」を今後の経営課題にあげています。当面はそのリーダー的ポジションを維持できるのではと感じました。

以上です。
簡単にまとめるつもりが書き始めると結構長くなってしまいました。
次は後編の懇親会編をまとめるつもりです。では、また。

2016年5月17日 The Imperfect Insider