2019年6月19日水曜日

そーせい「IR会社説明会」(仙台開催)参加

2019年6月18日のそーせい「IR会社説明会(仙台開催)」に参加してきました。
地方開催ということもあり、参加者も少ないかなと思いましたので、可能な範囲で詳細のレポートをしたいと思います。

最初の30分は田村社長からの会社説明で残り30分がQ&Aでした。
前半の会社説明でのポイントとしては、
○StaR技術により創薬ターゲットはふんだんにある。他社は枯渇しており、例えばファイザーは自社単独では限界があり提携につながり、開発が進みますます信頼を得ている。
○未提携のパイプラインは「全て」提携するつもり。だからこれまで自社パイプラインと表現していたものを「未提携」パイプラインと表現。ここに挙げた以外に非公開のものがたくさんある。(240?)提携しても困ることはない。提携を加速して認知度を上げる方針。
○AZのA2aはADHDをターゲットで提携していた。もともとシャイアーとのプログラムが返還されたもの。他社ががん免疫で3匹目、4匹目のどじょうを探しているが苦労している。A2aは非常に有望で期待している。
○過去3年間、研究開発を約100億使って大赤字で日本の株主の理解は得られなかった。だから今回復帰して方針を変更。戦略は2つあり、①ファイザー型のリターンは減るが、リスクゼロの方針と②アラガン型の自社開発を勧めてハイリターンを狙うやり方。過去3年間はアラガン型を目指した。ただし、アラガン型を目指したやり方は日本のマーケットにはあわない。いくらでもターゲットはあるのだから、そこまで欲張らなくても良い。まずは一部上場を目指す。
○アメリカのバイオでは大赤字で研究開発費100億投下は普通で、R&D費を減らすと逆に驚かれるが、日本型に転換。今は我慢。ただ、日本のバイオで20〜30億円使っている会社はほとんどない。減らすとはいっても先をみてちゃんと研究開発にお金は使う。提携はするが、自社開発はもちろん大事。そうしないと兆円企業は目指せない。黒字化を達成し、安定化したら研究開発費を増やし、大きいところを狙う。

以下Q&A

Q.財務や業績の説明がほとんどないが?
A.去年までの戦略、前社長の方針での結果で既に過去のことなのであまり説明していない。キャッシュは期末時と同じ170億ある。前社長の方針には関与していなかった。過去の遺産なので、今後の未来で判断して欲しい。
→ピーター前社長の方針には関与していなかったという部分は驚きました。

Q.シーブリ・ウルティブロのアメリカ展開は?
A.アメリカの薬価政策のせいで売れない。みんな喘いでいる。やらないわけではないが、二の足を踏んでいる。欧州は日本に近く重視している。優先順位の問題。

Q.パイプラインの進捗について
A.毎年2〜3個臨床入りの戦略だったが、今後はパートナーをみつける以外臨床試験には入らない。パートナー探しを優先。(だから自社パイプラインではなく、未提携パイプラインと表記)TEVA社返還のCGRPは高い確度で相手はみつかるだろう。それ以外も全部交渉は続けている。未提携パイプラインは全部提携するつもりである。それでも240個ある。時価総額1400億円の会社ができることと、5000億、1兆円の会社ができることは違う。今は我慢のとき。

Q.M1は?M1/M4は?
A.アラガンに導出済であり、基本はアラガン待ち。カニクイザル問題はそろそろ約束した期限なので、もうすぐなんらか発表する。分析は継続するが、バックアップに移行する方が早いかもしれない。解析結果を待ってから進めるのではなく、バックアップと並行して進めて1年後比較して方針決めするような流れになる可能性。近々、アラガンの本気度を示す発表がある予定。
→アラガンの本気さが楽しみです。

Q.これまでは100億を何に使っていたのか?経費削減による競争力低下のデメリットは?
A.時価総額3000億も超えたし、新しい流れを作れたと判断して任せた。アメリカで思い切った資金調達をして大きなチャレンジする予定だった。ただし、90%を超える日本の株主の理解を得られず株価がみるみる下がってしまった。復帰したのは、3000億までは株価を戻す義務がある。これまで2〜3年でスピードを意識して進めようとしたことを5年〜10年でやる方針に転換した。やるからには1兆円を目指したい、漢(おとこ)として、経営者として。(言えないが)戦略はあるのでどこかで思い切ったことはする。自前じゃなくて、提携だとしても数が増えれば同じこと。株価が今の5倍で100億円使って良いならやりたいが、今は耐える。一部上場を最優先。あまり言うと怒られるが、言えばやらなきゃいけないので、あえて言うと、2年で5億黒字、時価総額1000億円以上は、基準期のとり方によるが、2021年中には達成したい。

以上が、講演とQ&Aのまとめです。

田村社長の不本意ながらも、現在の低い時価総額への本気の解決策として、黒字化路線による東証一部上場を最優先として、企業価値が回復したら再度大きなチャレンジをするという決意が感じられたのが、個人的には大変有意義でした。早々に時価総額3000億のスタートラインにたって、田村社長のもう一段大きなチャレンジを目指す姿を早くみてみたいです。

2019年6月19日 The Imperfect Insider



2019年6月10日月曜日

そーせい個人投資家向け会社説明会(仙台開催)参加申し込み完了

来週6月18日に仙台で田村CEOが講演予定のそーせいグループ株式会社主催「IR会社説明会」田村CEOのIR会社説明会にエントリーしました。
みずほ証券主催の株式セミナーとの合同開催とのことで、みずほ証券に電話をして参加証兼案内の郵便が届きました。
田村CEOが復帰してからはIRを重視するとのことで、地方行脚を積極的に実施する旨は話されていましたが、本日Pfizerのプログラムの進展に関するプレスリリースもあり、前回の名古屋、大阪から各種進展がどのような形で報告されるかは大変楽しみです。
M1の状況や、COPD特許延長辺りについて具体的に聞ければ嬉しいですが、あと一週間ちょっとでどうなりますかね。
仕事の都合をつけて参加する予定なので、このブログでもフィードバックいたします。
お楽しみに。

2019年6月10日 The Imperfect Insider


2019年3月30日土曜日

2019年「そーせい第29回定時株主総会」に参加

大変ご無沙汰しております。
2年近く更新していなかったことになりますが生きてます。(笑)
ただ、資産の状況はこの2年間でかなりの大打撃を受けて、そーせいのおかげでテンバガーを経験した私ですが、そのそーせいのおかげで逆テンバガーの経験をする羽目になりました。(笑うしかありませんね)

まさかこのブログを始めたHeptares買収後、「M1の自主中断による多少のつまずきby田村会長」以外ネガティブな要素がなく、企業価値は増す一方のそーせいがここまで売り込まれることは想像できませんでした。
後悔が多少でもあるとしたら、常に資産のほぼ9割そーせいに投資をしていたため、買い増すための余力資金がないことでしょうか。そーせいに騙されたという意味の株を持っていた後悔ではなく、こんなチャンスに買い増せないのはアホ過ぎるという後悔です。

さて、一通り空白期間の近況を振り返ったところで、先日開催されました第29回定時株主総会について簡単に振り返ります。

ピーターベインズ社長が退任し、田村会長がCEOに復帰したこともあり、教祖の声を聴くに行く仲間も多かったようです。場所はいつものホテルグランドアーク半蔵門です。

このブログを振り返ると2,3年前のHeptares買収後に株価が急騰した際は、若い人が増えてきたとコメントしていたのですが、今年はご年配の方が多かったような気がします。

質疑のやり取りについての詳細は他の方のブログ・TwitterやY板などでシェアされている通りなので、私の印象に残った部分だけ抜粋します。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4565/announcement/49241/00.pdf

1点目は、M1は一時中断で多少のつまずきはあったが、バックアップ含めて全く悲観していない。という田村CEOの力強いメッセージが聞けたこと。特に資料P17にあるように直近のエーザイ、Biogenがコケたアミロイドβを標的としたアプローチと異なり、M1を標的としたSosei Heptaresのアプローチは現在最有力なアルツハイマー治療薬であるという自負をもっているというメッセージを直積聞けたのは良かったです。またアラガンがなぜM1/M4のパートナーとしてふさわしいのかの歴史的な部分についての部分の説明は初耳で大変勉強になりました。

2点目は、M1と並んで今後のSosei Heptaresの事業を牽引するであろうAZ社とのがん治療薬のプログラムについての期待の高さを確認できたこと。

3点目は、田村CEOの黒字化への強い姿勢を確認できたことです。このブログでも前回更新の2017年の個人投資家説明会参加の感想を記載していましたが、株主総会で感じたピーターベインズ氏のハイリスク・ハイリターン路線への懸念が残念ながら現実のものとなってしまいました。しかもパイプラインの失敗ではなく、M1以外は順調に進んでいる中で、IR活動を含めた市場とのコミュニケーション部分で失敗し、Heptares買収前と同じような現在のありえない水準まで売り込まれることになったのは本当に残念なところです。

カムバックされた田村CEOはそこを完全に見直す決断をされ、有力なパイプラインが多すぎるHeptaresならではの贅沢な悩みの部分を、思い切って取捨選択し導出と自社開発のバランスを見直すことを明言されました。しかも近年ほとんど主だった導出活動はしていなかったとのことで、その気になればどんどんマネタイズ可能であり、現在の日本市場においてはそれが最適と判断され、それを力強く推進し、東証一部への移行含めてリードする決意を確認できました。
本当にHeptaresのStaR技術は、買収当初から感じていたとおり、創薬プラットフォームの革新性から、打ち出の小槌のような会社であり、ピーターベインズ氏の欧米型のハイリスク・ハイリターンという選択肢も早期に世界のメガバイオの仲間入りをするには一つ選択肢だったとは思いますが、株価がここまで毀損されては資金調達含めた勝負の選択肢も限られてしまい、結局は遠回りになることがはっきりしましたので、私は田村CEOの手堅い現実路線(とはいっても大型プログラムはそのまま進捗)を支持いたします。

上記田村節を直接聞けたのは大変有意義でした。名古屋・大阪の説明会は残念ながら参加できませんでしたが、そちらでも田村節全開で大変良い話があったとのことで、もう一つ米国がん学会(AACR)の発表の反響合わせて週明けを楽しみに待とうと思います。

今後はもう少し定期的にブログを書いていこうと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。

P.S.
そういえばしばらく、不在にしている間に、Sosei Heptaresのリブランディングも発表されました。3年前に始めたこのブログですが、その際に取得した「sosei-heptares」のドメインが輝いています。(ちなみに本家のIR広報ブログは「soseiheptares」です)

2019年3月30日 The Imperfect Insider