2016年2月15日月曜日

そーせい2016年3月期3Q決算&M1進捗結果についての感想

少し出遅れましたが、そーせいから2016年2月10日に発表された、
以下の2つの内容について感想を記載したいと思います。

1.平成28年3月期 第3四半期決算
2.Heptares社のM1の進捗結果

一つ目ですが、
そーせいの2016年3月期第3四半期の決算発表がありました。

決算内容は予定通りとはいえ、シーブリ、ウルティブロのマイルストン、ロイヤリティ収入に加えて、Heptares社のマイルストン収入が加わり売上、利益共に大変見事なものでした。速報でも各記事たいへんポジティブに記載されていたと思います。第2Qの段階では、予定通りの赤字でも、赤字であるだけで散々な書かれ方をしたことに比べて対照的です。

バイオベンチャーにおけるマイルストン収入は、パイプラインの進捗に合わせて不定期であるため、毎期同じ時期なはずはないので、期中の赤字での一喜一憂は無意味なのですが、今回は大幅な黒字でもあり、基本的にはポジティブな書かれ方をしていたようです。今回は黒字なので良いですが、逆の場合に動揺しすぎないように注意したいものです。

また、今回の決算におけるHeptaresの寄与の大きさも定量的に確認しておきましょう。
昨年5月の投資家説明会の資料を参考にしますと、以下のようになります。

2016年3月期決算予想
Heptares買収前:売上44億円、利益24億円
Heptares買収後:売上117億円(+73億円)、利益59億円(+35億円)

Heptares買収前でも他のバイオベンチャーを寄せ付けない素晴らしい数字なのですが、買収後は異次元の規模になります。(単発ではなく、今後さらに伸びていきます。)

こんな素晴らしい会社をわずか500億円程度(キャッシュの持ち出しは約200億円、残りは将来のキャッシュフローで充当)で買収できてしまったというのは、本当に素晴らしいことです。

私自身がそーせいを信じて投資してきた理由は、NVA237(シーブリ)、QVA149(ウルティブロ)の存在があったからです。COPD治療薬として他を既存品を凌駕するこの2種の薬だけでも評価が低すぎると信じて、投資してきたのですが、思いがけずそれと同等以上のパイプラインが一度に10倍以上出来てしまった状態なのです。
私を含めて古くからの株主さんたち、さらにHeptares買収後の新規の株主さんたちは、投資家説明会でこれを確認でき、株価が今後当時の10倍どころでは済まないことを確信できたと思います。田村社長の目利き、人脈の素晴らしさ、偉大さを感じずには居られません。
Heptaresのすごさについては、また改めて時間のある時に詳しく記事にしたいと思います。

次に、そのHeptares社のパイプラインに関して、決算発表と併せてサプライズな報告もありました。
M1のP1の進捗結果の報告です。

M1(ムスカリン受容体M1作動薬:HTL9936)はHeptares社の自社開発のパイプラインであり、アルツハイマーおよび認知症用の治療薬として期待されているものです。
説明会資料が分かりやすいですが、市場規模70億ドルでピーク時売上30−50億ドルが期待できる言わずもがなの大型薬です。
安全性、忍容性などを評価するPhaseⅠa(前期第Ⅰ相臨床試験)が良好に終了しておりましたが、今回は容量等の検証を行うPhaseⅠb(後期第Ⅰ相臨床試験)も無事終了したとのことでした。更に驚くべき発表があり、HTL18318という第二の薬の開発もすすめることが発表されたのです。
これにより、リスク分散の意味と、複数社への導出などマネタイズの選択肢が増えることになります。
このように、HeptaresのStaR技術は、この例をとっても、薬自体ではなく、薬を開発するための素晴らしいツールを持ってことで、他社が発見し得ない、薬の候補を自前またパートナー企業と先行して開発することができます。また、今回のように一つの疾患でも複数の候補薬剤を開発できることが強みといえます。
まさに打ち出の小槌のような技術と言えると思います。

このような2つの素晴らしい発表が2月10日に発表された訳ですが、肝心の株式市場は2月12日(金)は円高株安の大荒れの展開で、正しく株価には反映されていなかったように思われます。明日2月15日(月)は見直されるでしょうか?

日々の株価はそーせいの価値には何も関係がありませんが、不当に低リアクションであれば、強気に買い増しなども考えたいくらいのそんなポジティブな発表だったと思います。

少しでもご参考になれば幸いです。

2016年2月14日 The Imperfect Insider

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